◆ 郵便インフラに、ひびが入っている
2025年、日本郵便で「少なくとも4000通にのぼる郵便物の不配」が明らかになりました。
シュレッダー処分、自宅への放置、ロッカーに隠された手紙──。
なにより問題なのは、それらの多くが“非公表”だったことです。
そして、私たちは問いかけずにはいられません。
「大事な書類、本当に届いているんだろうか?」
「気づいてないだけで、自分も被害者なのでは?」
この不安は、いまや日本だけの話ではありません。
◆ 海外でも相次ぐ「届かない郵便」の問題
郵便インフラの揺らぎは、イギリスやアメリカでも大きな問題となっています。
しかもそれは、制度の問題として、行政機関や裁判所が動くレベルにまで発展しています。
🔹 英国 Royal Mail:未達・遅延で罰金処分
英国の郵便大手「Royal Mail」は、2023年~2024年にかけて配達目標を大幅に未達。
本来1日以内に届けるべき1等郵便(First Class)は、目標93%に対し実績74%。
この状況を重く見た通信規制機関 Ofcomは調査に乗り出し、
2024年には5600万ポンド(約100億円)の罰金を科しています。
これはつまり、「郵便が“遅い・届かない”状態が国全体の問題として扱われている」証拠です。
🔹 米国 USPS:意図的な未配達が最高裁へ
さらに米国では、“意図的な未配達”をめぐる訴訟が、最高裁にまで発展しています。
テキサス州の女性が起こした訴訟「USPS v. Konan」は、
「郵便局員が故意に配達しなかったため、重要な郵便が届かなかった」として、
連邦政府(USPS)に損害賠償を求めたものです。
問題は、“郵便事故”が訴訟の対象になるのか。
これが認められれば、「届かなかった」ことに対する法的責任が確立される可能性があり、
米国における郵便制度全体のあり方を揺るがす転換点となります。
◆ 比べて見える、日本の“静かな危機”
日本の不配4000通は、こうした海外の問題と比べても、構造的に酷似しています。
| 項目 | 日本(日本郵便) | 英国(Royal Mail) | 米国(USPS) |
|---|---|---|---|
| 規模 | 不配約4000通 | 配達遅延→罰金(100億円規模) | 意図的未配→最高裁訴訟 |
| 公表性 | 多くが非公表・差出人不明 | 国家規制機関が監査 | 司法が調査対象 |
| 影響 | 届かなかったことに気づけない | 信頼失墜・制度再検討 | 届かなかった人が損害主張 |
| 裁判・制裁 | 多くが社内処理 | 行政処分・罰金 | 憲法レベルの議論に発展 |
つまり──
日本の郵便制度は、**海外よりも“静かに危機が進行している”**可能性がある
という、見逃せない構造が浮かび上がってきます。
◆ 書類が届かないと、どうなるのか?
実際、SNSや個人投稿で見られる体験談では:
- 請求書が届かず延滞扱いに
- 保険証が更新されず、病院で支払いトラブルに
- 裁判所からの通知が届かず、訴訟の期日に間に合わなかった
こうしたケースが「気づかないまま進行する」のが、郵便事故の怖さです。
◆ 私たちが取るべき“制度に依存しすぎない習慣”
では、私たちには何ができるのでしょうか。
✅ 書類を送るとき
- 特定記録・書留・レターパックなど追跡可能な手段を選ぶ
- 発送日・追跡番号を必ず保管、必要ならスクショやPDFで保存
- 相手に「いつ送ったか・どう送ったか」を伝えることで、確認の機会を増やす
✅ 書類を受け取る側として
- 期日がある書類は「来る前提」ではなく、「来なかったら自分から問い合わせる」
- 電子交付やオンライン通知のあるものは、併用しておく
- 「未配の可能性」を疑うクセをつける(特に1週間以上遅れたとき)
🧠 「信じる」ではなく「確かめる」が、これからの標準
郵便制度は信頼で成り立っています。
しかし今、その**“絶対視”が崩れはじめている**のです。
英国では行政が、アメリカでは司法が、
郵便制度の問題を公的に扱っています。
日本でも、4000通の不配や配達偽装が「氷山の一角」だとしたら──
今こそ、「確認する文化」への意識転換が必要です。
情報は届くものではなく、届かせるもの
書類は信じるものではなく、確認するもの
✅ まとめ:見逃さない目と、届ける工夫を
郵便が当たり前に届く社会は、もう「前提」ではなくなりつつあります。
これから必要なのは、
💡 誰かを責めるより、
📌 自分で守る方法を知ること。
そして、制度やインフラの“信頼”を前に、
「確認し、補完し、備える」という行動力こそが、
私たちの“受け取り手”としての新しい知恵なのかもしれません。